アメリカで買い物する際の考えること。 私の場合、挙げられるのはふたつ。

まずは「日本で食べ慣れた・使い慣れたものがあるか否か」という点。 たとえを挙げるなら化粧品や薬。ほとんどのものがアメリカ人規格で作られているため、西洋人とは肌や髪の質、体系も違う日本人の我々はその点を注意した方がよいと言われたことがあるためだ。

もうひとつは「欲しいものが見つからなかったとき、 『○○を探しているのに見つからない』という意思を伝えられるかどうか」ということ。この言語の壁はもちろん買い物の時に限らず、この国にいる限りいつまでも付きまとう試練。

その日の買い物は「ボディーソープ」。日本人の友人から「香りがキツくて乾燥するものも多い。でも日本で売っているブランドもあるから、それなら間違いなし。」という情報も得ているので、まず第一条件はクリア。次はセリフだが、これは楽勝。「ボディーソープ」は元々英語のはずだから、あとは「Where do you have~?(~はどこにありますか)」に当てはめればいいだけ。

今回の私は自信たっぷりなので早速店員に聞いてみる。

Where do you have Body-soaps?

“Soap (ソゥプ)” の発音もバッチリだったので、店員は想像したとおりの「オッケー」の顔。しかし彼女が案内したところは、「セッケン」の棚…。 私は『”Here you go” じゃないよ!これじゃただの “Soap (セッケン)” だろうが…』と思いながらも、「”ボディーソープ” って言ったんだけど。」と確認してみる。 すると彼女も「だから、これでしょ?」と指さした先を変えない。

どうやら想像してなかった「違い」がここに生じているようだと感じた。

確かにセッケンで体を洗えないこともない。でもこの店に私の意味しているいわゆる「ボディーソープ」が存在していないわけはないと思い、思い切って「あの・・液体の・・」と言ってみた。 すると、「あーぁ、”Body – wash” のこと言ってるのね、こっち」と視線を移した先には、まさに私が欲しかったものが。

あれだけ “ソゥプ” と連呼しながらも自分が欲しかったものは “ソゥプ” ではなかった私はバツが悪くなった。

詫びたいけれど相応の英語の表現がみつからなく、本当の意味で返す言葉がなかった。 でもここはアメリカ。「あたしったらー、ソーリー、バット、センキュー」と少々バカっぽく装ってその場を去った。

それ以来、日本に帰国した今でも「ボディーソープ」と言うたびに違和感を感じている。だって、「ソープ」じゃないんだもん。

コラムでは翻訳に纏わること、翻訳パートナーズのスタッフが異文化で体験したエピソードなどを掲載しています